鎌のオーガニクスは俺の方を向いて叫ぶ。
「おい!なんだあの気が触れた奴は!」
俺は首を横に振る。知っていると答えたくなかった。
「まぁいい・・俺の名前は・・・」
もう一度鎌のオーガニクスが喋ろうとした。
「この悪魔どもめ・・・」
カルバンはわなわなと震え殺意をむき出しにして呟く。
それでも鎌を持ったオーガニクスはカルバンには見向きもせず俺に向って喋る。
「へ、まぁいい。俺以外のオーガニクスは邪魔なだけだ。死にな。」
鎌が風を切り俺を襲う。だが俺は理力で弾きそれを防いだ。
・・・理力が回復してきている。
「なに?」
男は信じられないようだ。
そしてその行動に俺は相手がまだ戦い馴れていないと感じた。
「俺はこの為だけに作られた。死にたくなければ降りろ。降りなければ・・・」
「何だって言うんだよ。」
鎌のオーガニクスは俺に言う。
「殺す。」
俺はマントを剣に変えて握り、理力を込める。
「おい・・・神は大変お怒りだ。」
カルバンの声がした時に俺と鎌のオーガニクスの間に光が飛び散る。
俺は理力を展開し防御する。煙がまきあがり衝撃を感じる。
先ほどとは状況が違う。理力が俺に戻ってきた今、焦りは感じない。
音が落ちつき視界が確保できる様になった。鎌の男は上空へ逃げていた。
「なんだ!?いきなり。」
鎌のオーガニクスは怒りを露にしていた。
鎌のオーガニクスの奴にはカルバンは荷が重い。
「あの可笑しい奴は何処にいきやがった?」
鎌の男が見当たらないカルバンへの怒りをなぜか俺に向ける。
その時鎌のオーガニクスの後にチラッと影が見えた。
「やはり・・・こうなったか。」
その影が見えてすぐに俺の足元に鎌のオーガニクスが降りてきた、と言うよりは落ちてきた。
後からカルバンの一撃をくらいカルバンごと落ちてきて潰されていた。
鎌のオーガニクスの吹き出した黒い液体が俺の体を濡らす。
カルバンは返り血で黒くなった顔で俺に告げる。
「次はお前だ・・・」
俺は何も言わずに剣を突き出す。
もう言葉は意味をもたない。カルバンがやる気な以上、
俺か奴のどちらかがここで倒れるしかない。
カルバンと見詰め合った時、上空から激しく風を切る音が聞こえた。
俺とカルバンは同時に上を見上げる。
そこには巨大なヘリが十機ほどこちらへ向っていた。
「・・・無駄だ・・・」
俺はそう呟いた。ヘリがこようが爆撃されようが
きっと俺達に傷を与える事は出来ないだろう。
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