未来編 第四話:「生きていたのか・・・」


何も見えないくらい場所で俺は生まれた。
作られた。と言う方が正しいだろう。
俺はそれについて何に疑問を抱かなかった。
「わかった!わかったぞ!オーガニクスが作れる!・・・」
「やはり人の遺伝子がベースだった!しかしすべて人造ではただの肉の塊だ・・・」
「・・・生きた人間をつかえば・・・フフフ・・・その為には・・・」
「どうせ使うなら・・・戦闘能力に長けた人間を・・・」
「お前を作ったかいがあるというものだ。」
「・・・大輔・・・コイツとオーガニクスで地球を潰す。」
「新しいプラットホームである月で全てが管理される世界を作る」
「お前はオーガニクスの力を暴走させずに最大限に引き出す・・・その為のブースターだ」
「名前をやろう・・・ロイド・・・アンドロイドのロイドだ。」
「ハハハ・・・忘れるなよ。自分が作られた意味を」
「お前は俺の新しい手足となるんだハハハハ!」
聞こえる音・・それだけがすべてだった。


そして事件が起きた。
「おい!なんだお前!良いから起きろ!おい!」
俺は何者かによって起こされた。
「水槽にこんなガキはいるわ・・・よくわかんねぇMWはいるわ・・・」
「・・・」
俺は目を開ける。始めてみる人間の顔。
「お!目を開けたのか。生きてるな!なんだお前は?」
俺は何も答える事は出来なかった。
「しゃべれねぇのか・・・なんかわかんネェけど・・・
この光景・・・異常だ」
「・・・」
男が言っていることの理解が出来る。だが何を言えば良いかわからない。
「神様気取りかよ!狂ってる!」
俺を抱きかかえている男がそうさけぶ。
「なんで・・・なんで僕じゃないんだ・・・」
そう言って後に新しい男が現れる。その男は銃を向けていた。
俺の視界が赤く染まる。


俺は本能的に陰に隠れた。声が聞こえる。
「クソ、ロイドはどこいった!?予定外だ・・・」
いつも聞いていた声の主は低くうなるようにそう言う。
「まさかこいつらのおかげでロイドを逃がすことになるとはな・・・
・・・いや、むしろ幸運だったと言うべきか?
・・・アイツは優秀な素体をニ体手にいれたという事で納得させればいい・・・」
声の主がこの場所から去るまでずっと考えていた。
男が言っていた異常というのは・・・

―俺とオーガニクス。

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