現在編 第五話:「嘘だろ?」


賢悟は斧を大輔の体に振り落とす。
その度に鈍い音と黒い飛沫が上がる。
「なんだ?やる気ないのか?」
「・・・・」
賢悟の呼びかけに大輔は反応しない。
と言うよりは反応が出来なかった。
「もういいか・・・そろそろ」
賢悟は斧を大きく振りかぶる。
「ううううぅぅぅ」
マリーはうめき声を出し震えている。
「まとめて殺してやる。」
斧を振りおろそうとした彼を止める声が響いた。
「そこまでです。」
良く響くその声の主はライだった。
「賢悟。そこからは私が相手します。」
ライはそう言い賢悟の元へ歩き出した。
明かに怒っている。歩き方が伝えている。
「はは・・・まだ死んでないか。さすがは・・・最強のオーガニクス」
賢悟は軽くライ見てそちらに向きなおす。
「少しだけ長く生きられるな。大輔。フフ」
賢悟はそう呟きライへユラリと立ち向かう。
「俺を忘れてもらっちゃ困る」
上空からモハメッドがライの目の前に舞い降りる。
「邪魔ですよ。」
ライは一言呟きモハメッドの横を過ぎる。
「お前バカにするのも・・・・」
モハメッドは武器である鎖状のハンマーを構え、
「いいかげんにしろォ!」
叫びながらハンマーをライに投げる。
ライは軽く振り向き右の拳をハンマーに合わせる。
「私は邪魔だと言った。」
静かに冷たく言い放つと拳が軽く光り轟音が響く。
「な・・・」
モハメッドは驚愕した。
彼はライにハンマーを砕かれたのだ。
「・・・死にたくなければ邪魔をするな。」
ライはそのまま賢悟へ歩んでいく。

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