過去編 第一話:「僕が・・やったのか。」


その日、いつもの日常と違うのは、夜が暗すぎる・・だけであった。
一筋の光が何本か落ち、轟音と共に赤い光が大地を照らし轟音が大地をえぐった。
一つは森、一つは海、一つは・・・
いくつかの光と音がこの世界への到達を告げていた。

空に明かりがともり、村人達は朝を迎える。
いつもと同じ朝、いつもとおなじ日々が始まるはずだった。
この日に新しい時代の幕が開けるのである。

小さな城下町の小さな家で、窓の隙間から入ってくる光の眩しさで彼は目がさめた。
だが、ちょっと寒かったのかもう少しこの暖かい空間にとどまろうと思っていた。
その矢先に、鈍く扉が開く音がして、その予定は狂った。

少女が彼にささやきかける。
「ちょっとアレク・・・いつまで寝てるの?」
少年はだるい目をしながら起きあがった。
「・・・おはよう・・・よくおきられるね・・」
少年の名前はアレクという。
1年前の戦争で両親を無くし、城の雑用係として働いている。
性格はおとなしく、優しい顔立ちをした男で、
同じく戦争で両親を無くした少女セリアと暮らしていた。

「あんなにスゴイ音がなった日に、早く起きないほうがおかしいわ」
「?」
アレクはキョトンと不思議そうな顔をした
「え?起きなかったの?昨日は星が落ちてきたのかと思ったんだから
・・・怖いから家からは出なかったけど」
「そう・・・まぁ今、生きてるから大丈夫じゃないかなァ」
呑気なアレクの言葉にセリアはため息をつく。
「・・・早く行かないと遅れちゃうよ、用意しておいたから着替えて!」
「ありがとセリア・・・毎回」
アレクはその場で着替え始めた
「あ・・・ちょっと女の子の前で着替えないの!」
セリアは照れながらアレクの部屋のドアを開けて、隣の部屋に移動した。
アレクはキョトンとしながら「あ・・・」とつぶやいた。
この日常はいつまでも続くはずだった。

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