現在編 最終話


「このまま・・・帰れるとはおもっていなかっただろ?」
大輔の目の前に現れた賢悟は彼にそう言った。
アメリカから日本に戻る途中一番会いたくないオーガニクスと
大輔たちは遭遇してしまった。
「賢悟・・・」
大輔はその名前をうねる様に漏らす。
「・・・・・・」
ソバニコフは様子を見ていた
「・・・お前があの時、俺を見逃したつもりなら・・・それは間違いだ
お前が俺を殺さなければ・・・おれはこのオーガニクスの力を使って・・・」
「・・・」
大輔は賢悟の言葉に耳を傾ける。
「すべて壊す!俺が得た力で!俺が!俺の意志で!一人も残さない!」
「お前・・・狂ってるよ」
大輔は賢悟が理解できない。
「俺達は!俺も!お前も!同族までも食いつぶす生物だ!何処に未来がある!」
「そんなことはさせない!」
マイクは右手の銃で賢悟を狙う
「俺を止めてみろよ。力ずくで」
放たれた理力を避け、マイクの咽喉を賢悟は抑える
「最後は力でしか答えは出せない。解って・・いるんだろ。」
賢悟の赤い瞳は大輔を睨む
「わかるか!ボケ!」
大輔は力がこもらない腕で賢悟の顔を殴るがダメージを与えられない。
「運が悪かった。残念だよ。」
賢悟は大輔の腹部を殴る。
拳がめり込み大輔はマイクに捕まっていた腕の力を逃し、
海へ落ちていく。
「大輔!」
マイクは賢悟の腕を払い急いで拾おうとするが
「・・・・・・」
ソバニコフに遮られた。
「どけ!」
銃が光りソバニコフへ放たれる。
「!」
ソバニコフは片手片足を吹き飛ばされた。
「もう手加減は出来ない!死にたくなければどけ!」
マイクは叫ぶ。
「面白い。そうでないと」
賢悟はほくそえみマイクの背中を切りつける。
激しく黒い飛沫が飛びちる。
「・・・賢悟!」
マイクは後ろを向きながらゆっくりときりつけた男の名前を呼んだ。
「汚いとは言わないだろ。命が掛かっているのだから」
賢悟は力を強める。
「・・・・・・」
ソバニコフのオーガニクスが光り体を再生している。
「終わりにしよう。すべて。寂しくは無い皆帰るのさ無に。」
「・・・そんな事・・・!」
マイクの頭にライの顔がよぎる。
(この力はとてつもなく巨大です。だからこそ被害は最小限にし、
皆の生活を守らねばなりません。
私も・・・貴方も、一度はこの力に酔ってしまった。
けど、私達は振返る事が出来て、無意味さに気付けた。
僕らは分かり合えるし止める事が出来るんです。
道具に振りまわされるほど・・・バカらしい事はありません。)
「させない!」
マイクの背中の傷が埋っていく。
「な・・・!なんだ?」
「!・・・・・・」
賢悟とソバニコフはその迫力と回復力に衝撃を覚えた。

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