現在編 第六話:「アイムソーリー」


俺はいつも着てる鎧が綺麗になってるのに気がつき、
「なんだ?新品・・・とはいかないまでも嘘みたいに綺麗になってるな」
と言った。錆びがなくなり光沢が戻ってる。
「どうやら新しく入った雑用が大分真面目な奴らしいですよ」
部下が言う。
「へぇ〜お前らのまで綺麗じゃないか」
俺は感心した。部隊の鎧がすべて綺麗になってる。
「なんか。戦災孤児を城で働かせるって政策があるじゃないですか。
あれで入った奴みたいですね。」
「なるほどなぁ。ちょっとお礼を言ってくるよ。」
「隊長。彼らは仕事をやってるだけなんですからそんな必要ないんでは?」
「何いってるんだ。有りがたいと思ったらお礼をする。当たり前だ。」
そう言って俺は雑用係の部屋に行った。
俺は雑用係の部屋長へ鎧を磨いてた男は誰か聞いた。
すると部屋長は年端も行かない少年をつれてきた。
「は・・・はじめましてアレクと言います。」
俺は心臓が止まりそうになった。
半年前に戦争で死んだ弟の面影をしていたからだ。
「・・・」
「隊長?」
アレクは俺を呼ぶ。
「あ、ああ、すまない。しかし・・似てるな・・・。」
「?」
「あ、いや、鎧を綺麗に磨いてくれてありがとう。お礼を言うよ。」
俺は頭を下げた。
「いや、そんなたいした事じゃ・・・逆に仕事を貰った以上は当然です。
頭を下げないでください。」
アレクは慌ててそう言った。
「アレク君、お礼がしたい。飲みに行かないか?」
「あ・・はい。友達も一緒で良いですか?」
「もちろん構わないよ。」
「ありがとうございます。セリアも喜びます。隊長は有名ですから」
俺とアレク、セリアが親しくなるのに時間は掛からなかった。
失った家族をもう一度俺は手に入れたそんな気持ちだった。

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