未来編 第六話:「けりをつけよう」


俺はカルバンのハンマー受けとめながらまた見知らぬ記憶を思い返していた。
「・・・これは・・・なんだ?」
思わず独り言を口にする。
「この力は神が私に正義を代行する為に託された力だ!
悪魔の貴様が持っていい物ではないぃぃぃ。死ね!
扱った事を死んでつぐなえ!」
カルバンはなぜか俺の独り言に答えた様だ。
「・・・」
俺はこのことについて何か言う気にならなかった。
その事よりもこのカルバンの強さの方が気になる。
明かに鍔迫り合いでは俺の分が悪い。
「どうした?どうした!悪魔め!!」
カルバンは叫び俺を倒す為に力を込める。
「・・・なんだ、この力・・・」
俺は意識せずにそう言った。
「決まっている!神が私にお前を倒せといっているんだ!!」
カルバンは力強く、低く叫ぶ。
俺はこの時理解した。オーガニクスは意志の力、理力で動く。
意志が強ければ強いほど力を増す。
そして彼は自分の正義を盲目的に信じている。
今のカルバンの力は強大だ。
「ロイド・・・とかいったな。
神に忠誠を誓えば最も無残に砕いて貴様を浄化してやってもいいぞ!」
カルバンの言葉に魅力を感じない。
「断る。」
俺はカルバンの腹を思いきり蹴った。
この鍔迫り合いを解かねばやられるのは時間の問題だった。
「なに!」
運良く奇襲は成功しカルバンは驚きの声を上げよろけて倒れた。
「さよならだ。」
俺は倒れたカルバンに剣をつきたてる。
黒い液体が勢い良く吹き出しおれの体を温める。
「コレで・・・」
俺は一体倒したと確信したその時、俺の腕が捕まれた。
「・・・ゆるさん・・・」
カルバンはひねり出す様に言葉を発する。
彼の左腕が俺の右腕を掴んでいた。
「な・・・」
俺は驚愕した。カルバンの胸部を突き刺したと思っていたが、
右側にずれてしまっていた様だ。
そのまま俺は凄まじい力で宙へ投げ出された。
「手ごわい・・・」
俺は空中で静止し素直にそう思った。
「貴様・・・肉片でさえ残らない様に殺害してやる・・・」
カルバンの迫力に俺は理力で応戦する。
辺りが俺の理力で光見えなくなった。
「な・・・」
視界が光で見えなくなった瞬間に俺は地面に激しく叩きつけられた。
薄れていきそうな意識に耐え俺は元いた場所を見る。
ソコには俺を見下ろすカルバンがいた。
「このクソが・・・」
カルバンはそう言いながらゆっくりと降りてくる。
「・・・なにをする気だ・・・」
俺がそう言った瞬間だった。

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