未来編 第二話:「・・・好きにすればいい」


沈黙の中を回転音が響く。
「しかし・・・長いな。何階まで降りるんだ?」
スミスがそう呟く。確かに長い。
「ん!?ちょっと・・・」
レベリアが驚いたような口調で通信する。
「どうした?」
ラウエルが聞く。
その時回転音が止まり激しく床が揺れた。
「上よ!反応が二つ!一つはMW。あと一つはなに?動物?」
レベリアが叫ぶ。
「下がれ!」
ラウエルが叫び中心から壁際に下がる。
その中心に一機のMWが落ちてきた。
スゴイ騒音を立て落ちたそれはMWの残骸だ。
「コレは・・・LOTMのMW?」
レベリアが言う。
「どう言う事だ?同士討ちでも始めたのか?」
スミスは呟く。
「ちょっと待てよ・・・コレ・・・千切られた感じじゃないか?」
ショーンが良い所に気がつく。MWを引き裂くような武器は聞いた事がない。
間接が何がに引張られた様にひしゃげている。
新しい武器だろうか?
「・・・!さっき二つといったな。」
ラウエルがレベリアに言う。
「ええ。!?もう一体・・・」
レベリアがそう答えときまた何かが落ちてきた。
激しく床が揺れまた昇降機はゆっくりと下降する。
「!」
全員が声にならない驚きをする。
その物体はゆっくりと立ち上がって俺達を見据える。
17Mほどの影の金色の瞳が鋭くひかり、茶色い乾いた皮膚から血が流れている。
「おい!あんなの相手にしたことないぞ!」
ショーンが取り乱す。
目の前にはありえない光景が起きているのだから当然だ。
「なんだ一体!!」
スミスも取り乱す。
「恐竜・・・Tレックス?」
レベリアが名前を口にする。

「とりあえず応戦だ!」
ラウエルが叫び指示をする。それと同時にその恐竜は激しく咆哮を上げる。
あまりにも強大なその動物は素早く動く。
「おい照準がさだまらんぜ!」
ショーンが叫ぶ。
「クソ!どうすれば!!」
スミスも叫ぶ
シューンはマシンガンを乱射し、
何発かがTレックスの体に当り血が吹き出す。
TレックスはショーンのMWをにらみ突進する。
「うを!」
避ける事が出来なかったショーンは気絶する。
このせまい空間では圧倒的にTレックスの方が有利だ。
TレックスはショーンのMWの片腕に噛みつき力任せに引きぬく。
ショーンのMWが少し浮き上がり落ちる。
Tレックスは捕らえた腕を吐き捨てて、今度はショーンのMW胴体を噛む。
まるで中に美味しいものあることを知っている様に。
「動きを止めたな!」
スミスは素早くロングライフルでTレックスを狙う。
その銃弾は彼の瞳を捕らえ弾丸が発射された。
多摩は直撃し、たまらずTレックスはショーンを離し声を上げる。
「だめだ!弱い!」
スミスはそう叫んだがその時はすでにTレックスに弾き飛ばされ宙を待っていた。
「モンスターめ・・・!」
ラウエルは静かに叫び乱射する。
誰もが突然の、予想外の敵に戸惑っている。俺以外は。

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