過去編 第五話:「これが最後なら。」


シオンは目を覚まし身体を起こした。外はまだ暗い。
「・・・」
シオンは外を見た。その視線の先には美しく光る星があった。
「・・・遠い・・・」
シオンが呟いた途端、シオンの布団の中から声が聞こえる。
「どうしたんですか・・・」
布団が動き、クレアの顔だけでてきた。
「・・・君は何してるんだ?」
「あの、すみません。」
クレアはすまなそうに言う。
「先ほど従者長に呼ばれまして。王様の指示でシオン様と眠れと・・」
「・・・」
シオンはまったく理解が出来ず、クレアをみて止まる。
「あの・・あの。よくわからないですけど一緒に寝ろ言われたもので、
シオン様が眠ったのを見計らって潜り込んだんですけど・・」
「・・・そうか」
シオンはよく理解できなかったが、慌てるクレアもかわいそうに思えた。
「あの・・その・・怒ってますか?怒ってますよね」
シオンは、慌てるクレアの頭を優しく撫でて言った。
「別にお怒っていないよ。まだ夜だ。まずは眠ろう」
シオンは眠かったし、クレアを責める気はまったくないので、まずは眠る事を提案した。
「・・・あの・・・このままシオン様の隣でもいいですか?」
クレアは暗闇で見えないが顔を真っ赤にして提案してみた。
「ダメ・・ですよね・・すみません・・」
クレアは布団から出ようとしたとき、
「別に・・・好きにして。まずは寝よう」
シオンはそう言い布団へ戻った。
「じゃぁ・・好きにします」
クレアもシオンの布団に潜っていった。

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