過去編 第二話:「戦うしか・・・ないじゃないか。」


ゼオは意識を取り戻した。
自分にのしかかる重さで息苦しさを感じたのだった。
今、何が起きたのか検討がつかない。
まずは自分にのっている重いものをどかす。
生ぬるくザラザラした重いもの・・・
それはさっきまで苦戦した竜たちと、敵、味方兵士身体であった。
「コイツラのおかげで俺は突風を避けられたのか・・!」
ゼオは城のことを思いだしリラーン城を見据える。
廃墟にたたずむリーラン城。どうにか全壊はまぬがれたようだ。
「さすがに城は頑丈か・・・しかし・・・あの光・・・」
その時地面が揺れた。ゼオは少し前の記憶を取り戻す。
敵兵士の隊長は気になることを言っていた。
目を凝らすと平野に五メートルほどの影を見つけた。
「・・・巨・・・人・・・これをアイツだけで・・・」
鎧を全身に身にまとい左腕に剣を持つ灰色の巨人・・・
巨人は静かにただ立ち尽くし、二つの瞳は森を見ていた。
「なんだ?森になにか・・・いや、そんな事より・・・」
ゼオはまずは城に戻ることをきめた。
自分の精神も、身体も、鎧もすべてがガラクタとかしていた。

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